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2014年現在の8ミリフィルムという記事から3年経った2017年、今年1月にエクタクロームの復活がコダックから発表されました。2017年度の第3四半期にエクタクロームをリリースすると言っております。 2013年から独立したコダック・アラリス社は、135-36のフォーマットでフォトグラファー向けにスチル版の「コダック プロフェッショナル エクタクローム フィルム」を提供する予定です。「コダック プロフェッショナル エクタクローム フィルム」は、「リバーサル」、「スライド」あるいは「トランスペアレンシー」フィルムとも呼ばれるカラーポジ フィルムです。カラーネガ フィルムである今日入手可能な他のコダック プロフェッショナル フィルムとは異なり、エクタクロームは撮影して現像処理された後に見ることも映写することもできるポジ像の画像を生成します。これにより、高解像度の映写やプレゼンテーションにも最適です。また、プログレードの写真用メディアへのプリントやスキャニングにも適しています。製品の出荷時期は、2017年の第4四半期と予想されています。Copyright (C) 2013 - 2020 Kodak Japan Ltd. All Rights Reserved.「コダック エクタクローム フィルム」は、2012年に製造中止となるまで、多くのシネマトグラファーにとって選択肢となり得る独特のルック(映像の見た目)を有しています。このフィルムは、非常に細かな粒子、鮮やかな色彩、素晴らしい階調とコントラスト再現で知られています。最初の製品の出荷は2017年第4四半期になると予想されています。コダックのマーケティング最高責任者であり、コンシューマー&フィルム事業部のプレジデントであるスティーブン オーバーマンは次のように述べています。コダックはニューヨーク州ロチェスターにあるフィルム工場でエクタクロームを製造し、そのスーパー8フィルム版を直接販売・供給します。コダックはイメージングに特化したテクノロジー企業です。グラフィックアート、コマーシャルプリント、出版、パッケージング、電子ディスプレイ、エンタテイメントおよびコマーシャル映画、消費者向け製品市場において、ハードウェア、ソフトウェア、消耗品およびサービスを他の革新的企業と直接かつパートナーシップして提供します。当社の世界クラスのR&D能力、革新的なソリューションポートフォリオ、信頼性の高いブランドにより、コダックは世界中の顧客が自らのビジネスを持続的に成長させ、人生を楽しむことを支援しています。コダックの詳細については、kodak.comをご覧いただくか、Twitter@Kodakをフォローしてください。また、Facebookのコダック公式ページにもお気軽にお問い合わせください。Copyright © 2017 Kodak Japan Ltd. All Rights Reserved.「コダック エクタクローム フィルム」を映画業界に再導入することは非常に光栄なことです。 私たちは、映像をフィルムで撮影する醍醐味が広く復活している最近の動向を目の当たりにしています。コダックは、映像クリエイターが芸術的ビジョンを捉えるために不可欠なメディアとしてフィルムを製造し続けることにコミットしています。私たちはこのクラッシックを復活させることを誇りに思っています」 このあたりが全く同じものをいくらでも複製できるデジタルとは違います。ではその逆の「ポジティブ」なフィルムもあるのかと言えば、それはあります。アナログからデジタルへの転換には、そんな作業環境の「暗」から「明」への「反転」も含まれていました。もちろんそれぞれのフィルムは、その最終目的に特化して作られていますので、ネガフィルムをポジ現像したからといって、本来のポジフィルムと同じようにキレイに仕上がるわけではありませんし、その逆もしかりです。フィルム写真は、デジタルとはまるっきり違った仕組みで稼動していますので、デジタルに慣れた感覚からするとかなり独特かもしれません。(モノクロポジっていうのはあまり一般的ではないですが、あることはあります)本来の画像を「正像」とすれば、ネガ像は「負の像」というわけです。先人たちの知恵と工夫が詰まった、このフィルム写真は、デジタルが当たり前の今でも、止むことなく続いています。ポートレートの場合、頬紅などをつけていると、その部分が黒く陥没したように見えてしまうということです。フィルムにはデジタルにはない独特の「味」や、モノとしての「質感」みたいなものがあって、デジタル全盛の今でも、熱心なファンが結構いますね。「エクタクローム」とはコダック社のポジフィルムの銘柄ですが、ここ最近何気にフィルム写真が盛り上がりを見せています。(ちなみに、EPRでしか撮らない、みたいなこと言っていたのは篠山紀信でしたっけ?)フィルムと同じように乳剤が塗ってあるモノで、その塗ってあるベース(支持体)が紙か透過フィルムかという違いだけです。基本的に。今までの人生で何回「息をのんだ」かは分かりませんが、EPRは間違いなくその内の一つです。そう、確かにフィルムには、そんなデジタルでは味わうことのない魅力や感動がありました。昨今のフィルム写真の盛り上がりの背景には、そんな事情があるのではないかと想像する次第です。このあたりが、「反転」が基本であるフィルム写真の特性をよく表しています。この逆転現象は、フィルムで使用する化学物質が、「光に当たった部分が反応する」という特性を持っていることから来る宿命とも言えます。さて、フィルム写真の仕組みの根本は「2度の反転」ということでしたが、その「反転中」に、写真に対して手を加える余地が生じます。ハロゲン化銀という化学物質の性質上、画像は反転するしかないので、正の画像を得るためには、それをさらに反転させるというややこしい手順を踏むしかないのです。フィルム写真もその特徴と全体像をつかむと、あっけないほど簡単です。あれは本当に感動的な画質で、初めてライトボックスでその画像を見たときの感動はおそらく一生忘れません。さらには現像液の種類や現像時間、現像方法、またそもそもフィルムやペーパーの選択によってコントラストや色味、粒状感を操作できますし、このあと紹介する「クロス現像」によって、ダイナミックに絵柄を変更することもできます。アドビのRAW現像ソフトに「ライトルーム」ってのがありますが、それはつまり「ダークルーム(暗室)」の反対、「明るい部屋」というネーミングです。モノクロフィルムは現在、可視光全域に感光するパンクロが標準ですが、まだパンクロが無かった時代は、ポートレートにもオルソが使われていました。ここがフィルム写真の面白いところで、ネガのように1度反転することをあえて反転とは言わないのです。さて、モノクロであってもカラーであっても、フィルム上には本来の画像とは真反対の画像として記録されました。フィルムベースは光を透過する素材で出来ていますので、その画像のフィルムに光をあててその絵を投影し、その投影した反転画像を印画紙にあて、その印画紙を現像することによって、本来の絵を得るということです。その2度の反転は、「ネガ」→「プリント」と分ける方法と、「ポジ」のように現像時に1度でやってしまう方法の、2パターンがあります。すなわち反転画像が印画紙上で反転されて、正像に戻る、ということです。これによって最終的な完成品となる印画紙上の写真の色味が調整できます。(ちなみに、もともとの青色のみに感光するのは「レギュラー」です)「ネガ」とは、英語の「negative」(ネガティブ)のネガです。例えば、ネガ上で白すぎる部分は印画紙上で黒すぎる部分になるので、その白すぎる部分を露光中に遮って、プリント上で黒くなりすぎるのを防ぐ、というような操作です。と、その「反転中」にはいろんな操作が可能ですが、そういう操作は基本的に余計な光が感剤に影響を及ぼさないように、暗い部屋で行われました。しかし、ポジをネガ現像する場合は、そのキレイには仕上がらない「乱れっぷり」が面白いということで、あえてクロス現像によって特殊効果を狙う場合もあります。デジタルしか知らない方はもちろん、これからフィルムを始めてみようという方、またすでにフィルムでバリバリ撮影されている方も、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。なぜかというと、銀塩フィルムである以上、その化学変化は「光が当たった」所が反応するというもので、その構造自体はネガだろうがポジだろうが一緒です。そこには「便利さ」だけではない、何か特別な魅力があるからでしょう。そして現像処理することによって、光が当たった部分が黒く残り、当たらなかった部分は洗い流されます。今の感覚からしたら、むしろ「逆」ですが、そんな逆転現象も、フィルム写真の逆転現象に歩調を合わせるようで、なんだか面白いですね。かく言う私もその一人で、今はネガですが、かつてはEPRというエクタクロームの感度64のポジフィルムを愛用していました。フィルム写真は、光に当たると変化するという、ハロゲン化銀の特性そのものによって出来上がっています。もちろんフィルムと同じく、光が当たった部分は黒く、当たらなかった部分は白く(つまり紙の地の色に)なります。そんな実際に「手」を使って「写真」を形作るさまは、陶芸家が粘土をこねて形を作る動作に近いものがあります。その仕組みは、まずは普通に現像して露光部分を金属銀に変化させ(ここはモノクロの現像と一緒)、その後に本来未露光だった部分を化学的に反応させ、そこに対して発色現像を行う、というものです。確かに「情報」として画像が扱われる現在、レンズと化学物質という、電気を使わずに「モノ」だけで画像が形成できてしまうことが、ほとんど不思議ですらあります。ですからもちろん、フィルムと同じく、露光によって化学変化を起こし、それを現像することによって、画像を得ます。そして、デジタルの時代の今日では、それらの操作はコンピュータ上で明るい部屋のもとで行えます。そこでモノクロフィルムは、色素増感という方法によって、より波長の長い色にも感光するように改良されました。補色というのは、混ぜるとお互い打ち消しあってグレー(無彩色)になるという色、つまり「反対色」ということですね。画像が「情報」として高度なコントロール下にある現代、そんな「ロマン」をもたらしてくれるフィルム写真が、ますます価値を高めている。写真にはデジタルの便利さ、多彩さに加えて、このようなロマンチックな選択肢が用意されていることも、ぜひ覚えておいてください。今回は、写真用フィルムの種類とその仕組みについて解説しました。最終的に、光が当たった(=明るい)部分は黒く(=暗く)、光が当たらなかった(=暗い)部分は、薬品が洗い流されて素抜け、つまりフィルムベース丸出しの透明になります。「リバーサル」(reversal)とは「反転」という意味です。しかし、その仕組みを理解しておくと、アナログ写真そのもの、ひいては写真そのものに対する理解も深まるでしょう。ちなみにモノクロの暗室は「赤い光」で照らされている印象があるかと思いますが、それは印画紙の乳剤が基本オルソまでなので、赤い光に反応しないように出来ているからです。カラーの場合も、反転した色がさらに反転されて、正常な色に戻るというわけです。「negative」には「負の」とか「陰極の」という意味もあります。ちなみに、カラーネガフィルムは、ベースの色がオレンジがかっていますが、これは、グリーンの感色層とレッドの感色層が、どうしてもそれより下の波長の色にも反応してしまうため、それら余分な色の補正処理でオレンジになっているみたいですね。この、「予測不可能な乱れっぷり」も、アナログなフィルムならではの面白さのひとつです。「反転」は言ってみれば、ハロゲン化銀を使っているフィルム写真にとって「宿命」です。そうやって出来上がったオリジナルプリントは、全く同じものをもう一度作ることは出来ません。デジタル写真もやはり、アナログ写真の流れの上に構築されている部分も多いものです。この、ハロゲン化銀のような感剤を用いる方法は、写真が始まったころからの伝統的な方法です。モノ自体フィルムと同じモノなので、やることもフィルムに対して行うことと同じです。「わかる」からはじまる写真のおもしろさを、みなさんにお伝えしていきます。ちなみにフィルムで使用ハロゲン化銀は、もともと青色にしか感光しません。照度計で測ると同じ明るさであったとしても、その「色」が青なのか赤なのかによって、フィルムに記録される際に差が出てしまう、ということですね。フィルムにはこの「ハロゲン化銀」を含んだ「乳剤」と呼ばれる薬品が塗られていて、そこに光が当たると、当たった部分は反応し、当たらない部分には変化が起きません。「ライトルーム」のネーミングには、そういう過去の暗室ワークへのオマージュと、暗い部屋から作業者を解放したという、技術の進歩に対する自負が込められています。