最新の2016年発表の調査では、日本人の睡眠時間がさらに悪化していることが分かりました。この調査結果によると、日本人の平均睡眠時間は6時間~7時間という回答が最も多く、男女共にこの6時間~7時間が最も多くなりました。2007年の調査では6時間未満の睡眠時間は28.4%だったので、10年弱で1.5倍近くまで増えていることが分かります。また、60代以上では男女ともに「健康状態の改善」が挙がっています。つまり、ただ無駄に休んでいる訳ではなくメンテナンスをしているだけです。これは異常ともいえる数値ですが、これがあまり異常と映らないこと自体が異常な状態と言えます。仕事はパソコンを使う時間が長く、仕事後にスマホをたくさん使うとなると、1日中ブルーライトにさらされていることになります。人間の脳は明るさで時刻を認識し、それに合わせて睡眠に関わるホルモン分泌が行われます。日本人は、寝ないで頑張ることが美徳とする文化が強いと思います。このようなどこにでもあるような光景は、睡眠不足を招き睡眠の質も下げる要因だらけの環境と言えます。ただ、「俺、今月1回も運動してないぜ!」や、「俺、今月野菜食べてないぜ!」という運動してない自慢、栄養悪い自慢はあまり聞かないと思います。何度も聞いたことがあると思いますし、言ったこともあるのではないでしょうか。アンケート結果にあるように、簡単に睡眠時間を延ばせない現状があると思いますが、まずは睡眠不足の影響を知り少しずつでも睡眠時間を延ばせる工夫が求められます。車や機械のメンテナンスと同じですので、メンテナンスを怠れば事故に繋がります。また、「俺の若い頃は毎日5時間睡眠で働いていた」「若いんだから寝る前を惜しんで働け、勉強しろ」という話もよくあると思います。女性では、20代が「就寝前に携帯電話、メール、ゲームに熱中しない」、30代では「育児のサポート」、40代では「家事のサポート」となっています。最適な睡眠時間から考えると、この睡眠時間は非常に短いことが分かります。実際に私も何度も耳にしたことがありますが、これこそ間接的に睡眠不足を招く価値観的背景ではないかと考えています。特に30代以上では、男性は仕事が忙しく、その男性が家事や育児を手伝わないので忙しいという悪循環が見える結果です。また、特に40代の睡眠時間が短く、40代に限ればさらに結果は悪くなります。また、長時間労働以外にも睡眠不足を招く環境的な要因はたくさんあります。長時間労働の問題がより深刻化し、働き方改革が行われる時代背景が反映している結果と言えます。ただ、睡眠不足が長時間労働を招き、長時間労働が睡眠不足を招く負のスパイラルが起こっていると言えます。睡眠不足により健康状態も当然悪化しますので、今後この「健康状態の改善」は低年齢化が進む可能性があります。そして間接的に日本人の睡眠時間が短くなる要因が、価値観的背景にあると思います。当サイトは睡眠健康指導士上級の資格を持つ管理人が、睡眠指導士としての知識・ノウハウ・体験などをもとに執筆しています。その睡眠を削ることが、努力の証やがんばっている指数になるのはおかしな話です。脳の働きは、睡眠中でも覚醒時の85%程度は働いていると言われています。これも、「運動する時間を惜しんで働け」も、「若いんだから栄養なんかテキトーでいいから働け」もあまり聞かないと思います。先ほどの厚生労働省の調査結果によると、年代や性別によって睡眠時間が短い理由は違うようです。その長時間労働がまた睡眠不足の原因となり、その睡眠不足がまた長時間労働の原因になる悪循環です。夜でも明るいと睡眠に関わるホルモンの分泌が乱れ、入眠を妨げ睡眠の質を下げます。ただ、平均睡眠時間が6時間未満という回答が39.5%と約4割の日本人が6時間未満の睡眠時間ということになります。「俺、昨日3時間して寝てないぜ!」という寝てない自慢はよくあると思います。調査対象が少ないと思いますが、それでも日本人の睡眠時間の傾向は出ると思います。日本人の平均睡眠時間は、世界的に見ても非常に悪い水準にあると言われています。この調査は、無作為抽出した5327世帯のうち3507世帯からの有効回答によって発表されています。この厚生労働省の最新の調査によると、日本人の睡眠時間の短さは拍車がかかっているようです。つまり、脳の機能で言えば日本人の4割は酔っ払って仕事をしているのと同じということです。これは、エジソンが白熱電球を発明した時から始まったと言われています。では、この日本人の睡眠時間が短い理由はどこにあるのでしょうか?明るいコンビニで買い物をし、明るい家でスマホを見ながら布団に入る。睡眠時間が6時間を切っている状態は、脳の機能で言うと酔っ払っている状態と同じと言われています。同じ調査で「睡眠時間の確保に必要なこと」を聞くと、20代~50代男性では「就労時間の短縮」がトップとなりました。そんな状態で仕事をすれば、当然仕事の質は悪く仕事が終わりません。睡眠不足の影響は、死亡リスクの増大、交通事故や医療事故の増大、記憶力・学力の低下などあらゆることが起こります。多くの場合はその人個人の問題というよりも、会社やステークホルダーの問題もあるので一概に仕事が遅いから長時間労働とは言えません。40代男性の平均睡眠時間が6時間未満の割合は49.0%、40代女性に至っては52.8%とほぼ半分が平均睡眠時間6時間未満ということになります。長時間労働はあらゆるところで問題となっていますが、睡眠にも当然大きな影響を与えます。
睡眠 » 睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠の2つから成る。 ノンレム睡眠は浅い睡眠から深い睡眠まで4段階に分かれる。 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 23e-q01 睡眠時間 総務省統計局が5年ごとに実施している「社会生活基本調査」により、生活時間における行動の種類として、1日のうちの睡眠時間について、総平均時間、行動者平均時間及び行動者率を調べることができます。 注)(2017年)問2:ここ1ヶ月間、あなたの1日の平均睡眠時間はどのくらいでしたか。あてはまる番号を1つ選んで 印をつけて下さい。 (2015年)問8:ここ1ヶ月間、あなたの1日の平均睡眠時間はどのくらいでしたか。あてはまる番号を1つ選んで 印をつけて下さい。 十分な睡眠をとり、ストレスと上手につきあうことは、こころの健康に欠かせない要素です。「休む」ことと「養う」ことの二つの機能を上手に組み合わせて健康づくりをしていくための情報を提供します。 睡眠不足の背景には特に都市部における長時間労働と長距離通勤があり、ともに在宅時間と就床時 間を圧迫している。eu諸国の平均就業時間にくらべて日本人の就業時間は男性で2時間弱ほど長い。 図1:睡眠と生活習慣病との関わり そこで今回は厚生労働省や文部科学省、総務省などの情報を基に、平均的な小学生の睡眠時間、睡眠不足がもたらす悪影響、睡眠時間を確保するための工夫などをまとめてみました。 昔と比べて小学生の睡眠時間は短くなっている?
不眠症 » 不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・クスリの副作用などさまざまで、原因に応じた対処が必要です。 眠れない日が続くと「また今夜も眠れないのではないか」と不安になり、「早く眠らなければ」と焦れば焦るほど目が冴えてしまう。不眠症の方が共通して経験する不安です。「一過性で終わるはずだった不眠が慢性化して不眠症になる」、その背景にはこのような「不眠恐怖」があります。不眠が続くうちに寝床に向かうだけで緊張してしまい、夜になるのが憂鬱になってきます。そのようなときは「どうせいつかは眠くなるのだから、眠くなるまで起きていよう」くらいに割り切ったほうが好結果をもたらします。不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・クスリの副作用などさまざまで、原因に応じた対処が必要です。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。家庭での不眠対処で効果が出ないときは専門医に相談しましょう。睡眠薬に対する過度の心配はいりません。現在使われている睡眠薬は適切に使用すれば安全です。最近、ドラッグストアで購入できる市販の睡眠薬が売られています。これはアレルギー薬の副作用(眠気)を利用したもので、あくまでも短期間の使用に限られています。不眠症に対する治療効果は確かめられていませんので、不眠症の方はこれら市販の睡眠薬を長期に用いてはなりません。大切なのは眠れないことを一人でくよくよ考え込まないこと。その心配する気持ちそのものが、不眠を悪化させるだけではなく、こころ(うつなど)やからだ(ストレス性疾患など)に悪影響を与えてしまうということです。答えはNO!です。現在の不眠治療は睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなり、次第に量が増えていくので副作用が怖い。そう思い込んでいる方が多いようですが、最近の睡眠薬はそういう心配はありません。かつて用いられていた睡眠薬は効果が強力な反面、副作用も強く安全性に問題がありました。しかし現在広く使われている睡眠薬は不安や緊張・興奮をやわらげて眠りに導くので自然に近い眠りが得られ、副作用も少なく安心して使えます。ただし長期にわたって漫然と使い続けるのはよくありません。医師の指導の元に適切に使用することが大事です。不眠症は4つのタイプに分けられます。寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」、ある程度眠ってもぐっすり眠れたという満足感(休養感)が得られない「熟眠障害」です。実際「眠れないのに我慢して無理に寝床にいる」と不眠が悪化することが分かっています。常識的な範囲内でベッドで休む時間を決めておき、眠れなければベッドから出る、前日の睡眠状態にかかわらず日中はなるべく活動的に過ごすことが大切です。前の晩に眠れなくて仕事に集中できない、眠くてしようがないという場合には、昼休みを利用して昼寝をするといいでしょう。10-15分で十分です。たとえ短時間でも脳の疲労をとるのに効果があります。独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理部どうしても不眠が治らないときには専門医に相談をしましょう。不眠症は精神科や心療内科で扱います。精神科へ行くのは気が重いという方はまずかかりつけ医に相談してみるといいでしょう。病院を受診して不眠について相談するだけでも不眠恐怖は和らぎます。不眠対処の第一歩は先に挙げたようなさまざまな不眠の原因を診断し、取り除くことです。それに加えて自分流の安眠法を工夫することが効果的です。安眠のためのコツを以下にまとめました。